橋本直子さん~ママたちに寄り添い、支える人に~

産前・産後のママとその家族の応援団として活動する市民団体「小平はぐくみプロジェクト」代表。
アロマリンパトリートメント・リフレクソロジーのサロン「ボディセラピー Huali – ふあり」も経営。
1年間のすだちサロンを経て、自宅の一室でサロンを開きながら外での仕事もはじめた橋本さんに、これまでの道のりと今の想いについてうかがいました。

橋本直子さんのプロフィール

愛知県出身。
1999年に結婚したことをきっかけに、小平市に住みはじめる。
外資系のエレベーター会社を経て、設計事務所などさまざまな企業で働く。
結婚して専業主婦となり、メディカルリンパやリフレクソロジーの資格を取得。

2013年に「ボディセラピー Huali – ふあり」を自宅で開業し、「産前・産後ママの心と体をいやして助け合える仕組みを作りたい」という想いから「小平はぐくみプロジェクト(以後、こだはぐ)」を発足。
2017年1月にはセラピストとして、すだちサロンの木曜出店をスタート。同年12月に卒業。

現在は夫・大学1年生の娘・中学1年生の息子と暮らし、「女性と男性及び多様な性の平等」を推進する施設のスタッフとしても勤務。自宅でのサロン業を続けながら、両輪で仕事をこなしている。

○平日のスケジュール

朝6時に起床。朝食をとったあと、夕食の準備や家事をこなす。
外での仕事がある日は10時の勤務に間に合うように自宅を出て、20時頃に帰宅。作り置きしておいた夕食をとり、家族との時間を過ごす。こだはぐの業務やメールチェックなどを済ませたのち、0時~1時頃に就寝。

橋本直子さんインタビュー

○キャリアを積んだオフィスワーカー時代

若いころは、英語を活かした仕事につきたいと考えていた橋本さん。
専門学校で2年間英語を学び、外資系のエレベーター会社に就職します。
その職場でCADオペレーターとして働く女性と出会い、CADの仕事に興味を持ちはじめたそう。

そんな折、知人の紹介で設計事務所へ転職することに。
まったくの未経験だったものの、実務を通じて着実にスキルを身につけ、大規模な施設の設計を担当するまでになります。

その後、CADオペレーターとして派遣会社へ登録し、さまざまな企業で設計関係の仕事に携わったそうです。通算7年、キャリアを積んだオフィスワーカー時代でした。

○子育てサークルの立ち上げ

結婚して専業主婦となり、小平へ住むようになった橋本さん。
長女が1歳になった年に、当時まだ珍しかった「子育てインターネットサークル」を立ち上げます。

最初は独学でホームページをつくるところからスタート。掲示板で幼稚園や病院の情報を交換したり、月に1~2回はオフ会をしたりしながらママ同士の交流を深めていきます。

まだSNSがなかったこともあり、その活動はテレビ局の目にも留まるほど。NHK教育テレビの「すくすく子育て」に出演した経験もあるそうです。

○もっと、ママたちに寄り添いたい

サークル活動を続けていく中で、ママたちから「産後うつ」や「夫との不和」などの相談も受けるようになりますが、当時はご自身も子育てに追われて余裕がなく、話を聞いてあげることしかできずにもどかしく感じていました。

娘さんが2歳になったころ、友人の家で初めてアロマトリートメントの施術を受ける機会がありました。そこで植物の成分には自律神経や免疫力に作用する効果があることを知り、アロマの勉強をはじめます。

アロマテラピーアドバイザーの資格を取り、子育て中のママのために保育付きのアロマワークショップを開催するようになった橋本さん。しだいに口コミが広がり、企業から講師として招かれるようになります。

                 (親子向けのワークショップでアロマの蒸留について説明する様子)

○セラピストとしてサロンを開業

下の息子さんが小学校へ入学したタイミングで施術の学校へ通いはじめ、メディカルリンパとリフレクソロジーの資格も取った橋本さん。
2013年に自宅の一室でリラクゼーションサロン「ボディセラピーHuali(ふあり)」をオープンさせます。

施術は好みのアロマオイルを選んでもらい、手のぬくもりで心地よい圧をかけ、溜まった疲れや老廃物を流していくのが特徴。「まるで手が吸いつくよう!」と言われることも多いのだとか。

その後「より多くのお客さまの身体にふれて、さらに経験を積みたい」と考えるようになり、自宅に加え「すだち」のサロンスペースでも営業を始めます(現在は卒業)。
施術のほか手作りコスメのワークショップなども好評で、「次はこれがやりたい」とリクエストが入るほどでした。
               (自宅サロンで施術中の橋本さん)

○ママをいやして助け合う「こだはぐ」の誕生

NPO法人マイスタイルが主催した「コミュニティビジネス起業講座」の卒業生でもある橋本さん。産前・産後ママの心と体をいやして助け合える仕組みをつくりたいと考え、いっしょに受講した仲間と3人で2013年に「小平はぐくみプロジェクト」を立ち上げます。

現在の運営には、親業訓練インストラクターや保育士、栄養士など、さまざまな分野の専門家が携わっているそうです。

毎月第3火曜日には、鈴木公民館でお茶とお菓子つきの広場「こだはぐカフェ」を開催し、最近は会場に入りきれないほどの盛況ぶり。5月からは公民館向かいにあるアパートの集会室も借りて、2会場で開催しています。
                                (月1回開催されている、こだはぐカフェの様子)

○子どもたちとの時間も大切に

柔らかな物腰からは想像できないほど、常に忙しく勉強熱心な橋本さん。
どこでスイッチをオフにしているのか聞いてみると、お子さんたちとおしゃべりする時間が何よりも楽しい!とのこと。
新生活の話や、がんばっている様子を聞くのがとても嬉しく、一人でいるよりも癒されるのだそうです。

「私より上手かも(笑)」というほど料理が得意な娘さんは、あるものでパパっと食事を作ってくれることが多いそう。ある日忙しくしていた橋本さんのために、野菜たっぷりのスパイスカレーを作ってくれたという話からも、親子の仲の良さがうかがえます。

○これからも誰かの助けになりたい

今年の春からは、国立駅近くにオープンした「くにたち男女平等参画ステーション」のスタッフとしても働きはじめた橋本さん。

「互いに尊重しあえる社会を目指して、男女平等参画の推進をしていく」という同施設の理念に共感し、自分もそのお手伝いがしたいと思ったそうです。

最近は、こどもの時にお母さんから言われた言葉をよく思い出すとのこと。

『人のために灯りをともすと、自分にかえってくる』
『誰かのために行動できる人が一番幸せな人だと思うな』

何度も言われていたわけではないのに、今になって不思議と心に聞こえてくるのだそう。

幼いころ、昔から働き者だったお母さんにマッサージをしてあげると、気持ちよさそうに喜んでくれるのがとても嬉しかったといいます。ひょっとしたらその時から、セラピストになりたいという下地ができていたのではないでしょうか。

お子さんの手も離れてきて、「今は仕事に力を入れていきたいです」と微笑む橋本さん。
押しつけではなく、人のために何かをすることが自然と生き方に溶けこんでいる。そんな印象をもちました。

橋本さんを中心に、ゆるやかな人の輪は広がりつづけているようです。

「取材・文/細渕さちこ」